女性ばかりの職場で贈った退職のプチギフト

私が六年間勤めた会社を退職する時に、職場の皆さんへお渡ししたプチギフトはハンドクリームです。

働いていた職場の部署は五十人ほどいましたが、その全てが女性で、季節を問わずハンドクリームは各自のデスクに必ず入っており、お手洗いから帰った時や、気が付いた時にクリームを手に塗りこんでいる人がほとんどでした。

お洒落な人は、有名ブランドのアロマタイプを使っていましたし、シンプルが好きな人は、ドラッグストアなどでよく販売されている定番物を使っていたりして、好みはそれぞれでしたが、ハンドクリームは女性なら必ず使う物なので、きっと皆さんに喜んでもらえるだろうと思い、プチギフトとして選びました。

私が用意したのは、お洒落に関心のある女性なら誰でも知っている、自然派化粧品で有名なショップのハンドクリームです。

ほんの少ししか入っていないのに、結構なお値段がしますが、そういったちょっとリッチなアイテムは自分でなかなか買わないものですし、ナチュラルな香りがあまり好みが別れないように思ったので、そのブランドにしました。

香水のようにキツイ香りは、狭いオフィスで使うのは気が引けますし、二十代前半から四十代半ばまでと、お渡しするメンバーの年齢層も様々だったので、自然派のオーガニックハンドクリームは、我ながらなかなか良いチョイスだったと思います。

こちらの予算にも限りがあるので、同じ部署のメンバー五十人全員に配ったわけではなく、課長・係長・主任を含めて、中でもお世話になった二十人にお礼としてお渡しし、後日、全員でお茶の時間に食べて頂く用の焼き菓子を別途宅配で送りました。

プチギフト二十人分と、焼き菓子五十人分を退職の挨拶代りに贈るのは、二万円五千円以上の出費になるので、これから退職する身としては少々懐が痛いのですが、このやり方は、ずっと会社で続いている習わしみたいなもので、私もこれまで先輩方からそのようにしてもらってきたため、きれいに退職するための必要な出費というところです。

その会社では15時休憩があったので、出勤する最後の日のその時間を利用して、一人ずつデスクに行き簡単な退職の挨拶と共に手渡ししました。仲の良かった同僚からは、それぞれから凝ったギフトを貰いましたし、私も彼女たちにはプチギフトだけでは素っ気ないので、会社で使って貰えそうな保温性のお弁当箱やスープジャーなどを用意し、あいさつのカードも添えて渡しました。