男性と女性でセレクトを変えた退職時のプチギフト

いま働いている仕事場は、組織が大きく、人事異動が多いために、配属替えで転出する方たちは、退職時にはささやかなお菓子のプチギフトを配ることが多いようです。

ただ、私がこの仕事に就く前は、まったく別の職種から転職してきたので、前の仕事を退職するときには、まわりの職員へのお礼と挨拶の気持ちを伝えるために、すこし奮発したプチギフトを渡したいと思い用意しました。

一般的な異動とちがって、退職というのは、私にとっても職場にとっても大きな出来事です。それに、もう会うことはなくなるかもしれないのです。そこで、できることならひとり一人に心をこめてプレゼントしたいとも考えたのですが、さすがにそれだと、プチギフトの内容によっては当たり外れがあったり、不公平感が出てきたりするかもしれません。それで、基本的にはみな同じものを選び、そのかわりひとり一人にささやかなお手紙を添えて、個別にお礼の気持ちを伝えることにしました。

さて、どんなプチギフトを選んだらよいか、と考えたのですが、その職場は職員数は10人程度と小規模でした。それで、退職という大きな決断でもあるので、思い切って、ひとりあたり5千円規模の贈り物にしようと決めました。

ただ、悩んだのは、女性と男性の違いです。私は男性ですので、女性むけのギフトは何が喜ばれるか、よくわかりません。そのため職場で親しくさせてもらった女性の同僚に率直に話をして、協力してもらうことにしました。

それで彼女と相談した結果、女性職員には少しリッチなスカーフ。男性職員には机上に置く小さな時計にしました。正直にいえば男性用のギフトの方が安価でした。見た目にもそれは想像できる範囲です。しかし、女性用のギフトが高そうに見えても、男性は文句を言いません。それが逆だと、女性は何かとしこりを残す可能性があると、同僚から現実的なアドバイスをしてもらったのでした。

その同僚の女性からは、その後、プチギフトは好評だったという連絡をもらいました。まずまず成功だったと思います。

退職という転機で考えるプチギフトは、一般的にはお菓子などの食品が無難かもしれません。しかしそれは、職場の規模や、職種の性格など、さまざまな条件によると思います。

結婚式での引き出物というと、自分たちの写真や名前を入れたギフトを用意することも見受けられますが、退職のケースは結婚とは違います。職場にお世話になったこと、まわりに迷惑をかけながら退職の道を選ばせてもらったことを、礼儀正しく伝える気持ちが大切だと思います。